How to start the last love .1

2018.09.11 (Tue)

Y-side


『ねぇユノ。
俺、チャンミンもらっちゃおうかな~。』

冗談みたいに、
言われた…ジュン先輩に。

いつだったか。
結構前に、一緒に二つのグループで飲んだ時。

その時の先輩の顔は、
いつになく真剣で。
後輩で年下の俺が、
どうこう言えるはずもなく。

ただ、黙って聞いてるだけだった。

後輩からも先輩からも、
慕われてる俺の恋人は。

そんな輩の気持ちなんて知ってか知らずか。
今も、そんな先輩に無邪気に話しかけてる。

「な、チャンミン。」

「何ですか、ジュン先輩。」

「次のオフで合う日ある?」

「オフですか?
全部オフはないですが、夜とかなら。
大丈夫な日がありますよ。
ですよね、ヒョン?」

いきなり自分に振られ、
心臓がどくんと跳ねた。

自分は今。
どんな顔して二人を見つめてたのか。

「え?ああ。
丸々休みはないです。
でも、夜なら大丈夫ですよ。」

そう言葉を俺達の先輩に返す。

今、俺の目の前で。
俺の恋人といちゃつくこの人は。

先輩グループのメンバーだ。
5人で構成されてて、人気もある。
歌も上手けりゃ、ダンスも上手い。
しかも、悲しいくらいビジュアルもいい。

別に同姓が好きな訳ではないはずなのに、
最近やたらとチャンミンにちょっかいをかける。

その度に、俺は。
どうしようもない思いに悩ませられる。

「じゃぁ、チャンミン。
そういう時間が出来たら連絡して?」

「あ、はい。
ユノヒョンと一緒に…」

「違うよ、チャンミンと二人がいい。」

「あ、はい…。」

俺に視線を移しながら、
どこか挑戦的なその目が。

俺に何を言いたいのか分からないけど。
先輩のこういう表情は。

俺を苛立たせる。

多分。
先輩に、と言うより。

先輩だから、と…
何も言えない自分に、だと思う。

その人が楽屋を出て行き、
俺とチャンミンの二人になった。

「あの…ヒョン…。」

「先、帰る。」

チャンミンの言葉を遮って、
部屋を出た。

俺って情けない。
こんくらいで、ガタガタになるのか?

これくらいで…
もしかしたら俺らが揺らぐんじゃないか、って思ってる…
自分の心に苛立って、腹が立ってしょうがない。

時間差でマンションに戻ったチャンミンが。
丁度リビングへ出た俺に、
抱きついてきた。

「ヒョン、怒ったんですか?」

首にぎゅっとしがみついて離れない。

ほぼ変わらない身長で、
同じくらいの位置にある頬が俺のそれに触れて。

耳元で泣きそうな声で、
尋ねられた。

「怒ってる訳じゃ、…ない。」

チャンミンに対して。

「じゃぁ、何で…
そんなツンとするんですか?
先に帰っちゃうし。」

素直に、いつもみたいに。
そのしなやかな腰を引き寄せられない自分に、
ほとほと嫌気が差して。

チャンミンの体をゆっくりと、
自分から離した。

「…ヒョン…?」

困ったような泣きたいような顔のチャンミンに、
今言える言葉がみつからない。

「疲れた。
…寝るから。」

言えるのはこれくらい。

今までも恋愛はして来た。
なのに。

こんな風に。
自分が情けなく思うような恋愛は、
きっと初めてだ。

もっとスマートに何でもこなして来た俺が。
たった一人に対しての感情で。

ペースを満たされるなんて。

格好悪すぎるだろ───









Old HOMINデス…



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