Taeyang

2018.08.19 (Sun)


*CM


除隊してまた2人の活動が始まった。

でも、何かしら変な違和感を感じる。

行く前とは違うユノとの距離感。

一言で言えば。

「何もかにもが甘い」

そんな感じ───



---



「次は日本だな。ファンのみんなに会える。」
「そうですね。」

帰って来たら”おかえり”って言ってねと残して後にしたあの場所に、別れた時と同じこの季節に立てる…また、ユノと2人で。

年末年始は母国でのカムバックがあって、勿論そこで待っていてくれた母国のファンとも会えた。
知ってるはずのないファンの顔に一人一人見覚えがあるような錯覚に陥って、僕らを熱く見つめてくれる変わらないその眼差しに涙が出そうになった。
でも、行く前に散々泣いたから。
戻った時は泣かないで、ただ笑顔で”ただいま”って言おうって、”ありがとう”って言おうって。
ユノと決めてたから、グッと堪えた。

久しぶりに訪れた第二の母国、日本の空気。
この2人で過ごすこの宿舎の雰囲気も久しぶり過ぎて、気を緩めるとまた泣いてしまいそうだ。

「ユノ、何か食べる?」
「ん?や、いい。」
「お、珍しい。僕はラーメン食べますよ。」
「チャンミンは変わらず細いから、何食べてもいいんじゃない。」
「それはどうも。ユノもそんな体型が変わったとは思えないけど。」
「まぁ、念のため。」
「ぷ、何だそれ。そう言いながら結局僕のを”ちょっとちょうだい”とか言いながら食うくせに。」
「分かってるね、お前。」

こんな会話、嬉しすぎ。
ちょっと気恥ずかしいような、こそばゆいような。
鍋に入ったラーメンをやたらとかき混ぜたくなる。

「ってか、煮過ぎじゃねぇ?」
「っ、わぁ!」
「声、デカイ。」
「す、すみません。でも、急にびっくりする…」

と言うのも。
キッチンに立ってラーメンを作る僕の後ろから、ユノが抱き着いて来たから。
通常運行と言えばそうなのかも知れないけど、正直初めてみたいに変に緊張する。

「ん?何か緊張してんの、お前。」

そして、簡単にバレる。

「なっ、何で緊張なんか、するんですか。」
「はい、火止めてぇ。」
「は?ちょ。」

手際よく火を止められて、危なくないように鍋の取っても向う側にしたユノに。
くるんと向きを変えられる。
と、言う事は必然的に向かい合うって事で…つまりは目の前に秀麗な顔があるって事だ。

直視出来るはずもなく目を逸らして俯くと、当たり前のように僕の顎を掴んで無理矢理視線を合わせられる。

「う…」
「う?」

クッソ、そんなタコみたいな口しても綺麗なんて犯罪だろ。

ユノが行ってた部隊は僕がいたところよりも修練がきついと聞いていた。
だからか、ユノは全体的にシャープになった。
言うと図に乗るから早々は口にしないけど、でも無駄な肉が削ぎ落とされたユノの顔はいつになく男らしさが増して。
言い知れない色香が漂う───

そりゃぁ、何人にも告白されるって当たり前だ。
僅か1%の特級戦士にもなって、本物の精鋭として部隊を引っ張った。
強くて優しいって、ユノの為にあるような言葉だと常々思っていて。
それを間近に感じていたら、そりゃ勘違いしたっておかしくはない。
告白されたって話は、ユノが豪快にマネージャーに話したらしく、ってのを僕は後から聞いた。
豪快に、って何だよって思ったけど妙に後から納得したりもした。
本人は意に介していない───

つまりは、無意識ってヤツだから。

「ホント、言った通りですよ…」
「ん~?何が?」

そう言いながら軽い音をさせてキスしてくる。
多分、効果音にしたら相当なものだと自分でも分かるくらいに一気に顔が沸騰する。

ああ、そうだった。
ユノってこんな事さらりとやっちゃう人だった。
改めて思い知らされる。

するりと細い指先が僕の脇腹を撫で、背中に回って。
そのまんま強く引き寄せられた。

「っ、天然無自覚タラシだから、後輩や同期に慕われちゃう図ってヤツです。」
「はぁ?意味解んない。」
「ガチでムカつく。」
「何かした?俺。」

いえ、何も。
何もしてないんだけど、何かされちゃった気にさせられただけです。
多分、一緒の部隊だったほぼほぼの人間がね。

「そんな事よりさ。」
「…っちょ、何でシャツに手入れてんだ!」
「ん?スる。」
「はぁあ?だって僕、ラーメン今から食べるって作って、」
「俺が優先。」
「ジ、」

自己中心的め。

そう言いたかったのに簡単に飲み込まれた。

帰って来てから何回もキスをした。
決して僕からは出来ないのを解ってるユノが、何回も何回もくれて。
その度に泣きたくなった。

やっとこの人の傍に戻って来れたんだって。

まだ、僕を想ってくれてたんだって。

そう、ユノが合わせてくれる優しい唇から伝わって来たから。

「日本はいいよね。」
「っは、なにが…」
「ずっとひっ付いてられるし。」

くらくらと眩暈のする頭を必死に立て直して。
そんな僕とは真逆に全然冷静のユノが、僅かに僕と距離を取った口元を緩めた。

こっちは相変わらずのユノからの濃厚なキスに、言葉通り腰が砕けそうになってるって言うのに。
呼吸も乱さずに、相手だけを乱すってどうなんだ。

「…嫌いだ、ユノなんか!」
「え?ええぇ?ちょっと、どしたの、チャンミン、辞めろよ~」

間近にある髪をぐちゃぐちゃに乱してやる。
勿論そんな事したってその滲み出るような格好良さが減る訳じゃない。
どこまで行っても悔しすぎる。

「こら、チャンミナ、ちょ」
「嫌い、きら───…ンっ」

せっかく離してもらえた唇が再び重なる。
重なると言うより、もはや噛みつくくらいの勢いで。
ユノが僕を支配する。

シンクにより強くユノ全部で押さえつけられて。
身動きが取れないままに、抵抗しようと思ってやっぱり髪をぐちゃぐちゃにしたって所詮無駄な抵抗で。
そんな僕にユノは嬉しそうに笑いながら、何度もキスをする。

「誰に向かって、嫌いとか言ってんだ。」

とか、引っ付いたままの唇が低い声で言葉を刻むから。

結局は観念して。

「…好きに決まってる、バァ~カ。」

って逆に文句を言いながら、今度は僕からユノの口に噛みついてやった。

好きに決まってる。
離れてる間、ずっとずっと想ってた。
貴方が元気で笑顔でいてくれるようにって。
いつだって傍には同じ事務所の仲間がいてくれたけど、でもそれは。
貴方じゃないから。

僕はいつだって「寂しい」って気持ちから抜け出せなかった。

笑いたかったら笑えばいい。

離れてた時間は決して、短くはなかったんだから。

「つかまって、チャンミナ。」
「え?」
「ほら、抱っこ。」
「ちょ、それは、ユノが腰を痛めるかと…」
「ブァ~カ、この特級戦士の俺がこれくらいで腰痛めるって?」
「だって、」
「あのね、チャンミナは軽い。」
「そんなことは、絶対ない…」
「そして、好きな人の前でカッコつけたい。」
「は?」
「何ならお姫様抱っこし、」
「それはいい。」
「じゃあ、掴まって。それとも、ここでスる?」
「それも嫌だ。」

でしょ、ってユノが勝ち誇ったように笑う。
敵わないな、この人には。
結局はユノが思うようになってしまうんだから。
でも、それが不思議と僕は心地いい。
自分でも言うくらい「ヒョンバカ」だし、言えないけど「ユノバカ」だし。

「じゃあ、お言葉に甘えて。」
「おう。」

負け惜しみで前髪をくしゃっとやると、掌をペロッと舐められた。

もう、何だよ、甘いんだよ。

ユノの首に両腕を回し軽く体重をかけると、強く引っ張り上げられる。
落ちないように無意識にユノの身体に巻き付けた足に、嬉しそうに笑った。

「お、積極的なチャンミナもいいね。」
「うるせー。こうしなきゃ、落ちる。」
「はいはい。」

寝室までの距離はたった数メートル。
それを抱かれて運ばれるって、人が見たら何て思うだろう。
ああ、もう考えたくない。
恥ずかしさで人は死ねるって、身をもって知った…ユノに愛されるようになってから。
本人はちっとも恥ずかしいとは思っていない。
思ったらすぐ行動に移す、憎らしいくらい男らしい。
態度だって言葉だって。

だから、ユノに愛される人って心から幸せな人だなって思う。

それが同じくらいの背丈で、抱かれるのも気を使うような男の僕じゃなく。

ユノよりも小さくてふわふわでいい匂いがして柔らかな、誰か別の女の人だったら。

きっとその人は死ぬまで幸せでいられるんじゃないかって、
ユノからの愛に何一つ疑う事もなくあったかい気持ちのままでいられるんじゃないかって。

いつも思っている。

前はユノの幸せの為ならこの手を放せるって思ってた。
そうする事も「愛」なんだって。

でも、今の僕にそれは出来そうもない。

ユノが与えてくれる心地よい温度に慣れ過ぎて。
それがない僕を想像も出来ない。

だから。

「ごめん。」
「ん?どした?」
「別に。」

もしかしたらユノが出会うかも知れなかった人達へ。

何回でも謝るから、

僕からユノを奪わないで下さい───

ぎゅうっとユノにしがみつく。
そんな僕の気持ちを知ってかしらずか、ユノは僕を抱いたままくるくると回転してくれた。

「チャンミンを抱っこしてても、回る俺。」
「ふ。」

何言ってんだか。
少しだけおどけて見せてくれるユノが。
自分勝手に沈み込みそうな僕を、いつも通り掬い上げてくれる。

僕が放せないでいると、僕を抱えたそのまんまの格好でユノもベッドに沈み込んだ。
至る所に落ちて来るユノからの優しいキスに、ぎゅっと絞られそうになってた心も、ユノに回した腕もやんわりと解けて来る。

「しょっぱい。」

そしてぺろりと目尻を舐められて、自分が泣いてた事に気付く。

「俺に抱かれてて、嬉し涙以外は流させねぇよ?」

あぁ、ほら。
やっぱりユノは解ってる。
僕が決して口に出来ない気持ちを、今も。

「…自信過剰な。」

ゆっくりと腕を解くと、僕の顔の両脇に腕をついて。
目元を親指の腹で撫でられた。

「チャンミンが泣いて赤くなった目尻とか、壮絶色っぽい。」
「はぁ?何言ってるんですか…」
「え、事実。」
「あー、…そうですか…」

そして恥ずかしい事をさらりと口にするから、一気に身体中の体温が上がるのが解った。

「あ、やっぱり腰痛めそう…今から。」
「え!ほら、だから僕を抱き上げるのは無理って言ったじゃ、」
「違うんだな。」
「えぇ?でも、腰…」
「今から痛めそう、って言ったんだよ俺?」
「は、」

今から、



…痛めそう?




「!!!!!!なっ、バカじゃないですか!!!!!なに言って、」
「だって、チャンミンの涙見てまたスイッチ入っちゃったし。」
「そ、そんなこと言われても、」
「止めらんねぇよ?覚悟しろよ、チャンミナ。」

意地悪に微笑むその顔でさえ格好いいと思うなんて。

結局はユノに何だかんだと振り回されて。

でもそれすら幸せだと思う自分がいる。





おわり











本編が辛いんでね(書いたひと)←
これ、多分2人が転役して初めて日本来るくらいに書いたんだと思いまする( ´v` )
ますます格好いいユンホと、そんなユノを目の当たりにして少々照れくさいチャンミン…
確かそんな2人を書きたかったような( ´v` )

テヤンって韓国語で「太陽」。
ユノの事だよね~♡まんまですみませんw



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