7th.Heaven .1

2018.08.10 (Fri)
貴方は分かってない。

僕は離れずにいられるなら、このままでいいと本気で思ってます───



*CM



「何でだよ!」
「だから、何回も言ってるでしょ。」

ああ、また同じ事で険悪になる。
もう何回目だろう…
そうなりたくないのに。

「事務所は知ってるんだ。
俺にも覚悟がある、だから公表して堂々と付き合いたいよお前と、…チャンミン。」

少しだけ悲し気に見えるけど、でも絶対揺るがない強さがユノの瞳の奥にはある。
いつもその覚悟はユノの中にあったようだけど、こうして口にするようになったのは実際除隊してからだ。
韓国男子としての職務を普通以上に全うしてしまう結果になった、ユノとしてはそれも背中を押すきっかけになったのかも知れない。
確かに、障害はなくなったように思える。
でも、現実はそんな簡単じゃない───

正直、ユノからの言葉は凄く嬉しい。
実際、想像してみなかった訳じゃない。
人前でいつも通りに振る舞う、自分たちを。
いつも通り、それはいわゆる「兄と弟」としてのそれじゃなく。
普通の恋人同士が纏うような、甘い空気の事だ。

ユノからそう言われる度に「NO」と返事をすることは、今までと変わりがないままでいるという意味。
別に悪い事をしてる訳じゃないのに、ただ一人の人を好きになっただけなのに。
隠してる事はそんな自分の気持ちを偽っているようで。

苦しかったから───

だから、そうユノから言われる度に「これでいいんだ」って思えて嬉しかった。

でも。
思うままに行動したら、
そうしたらどうなるんだろう。

そしてそう思う度に、
自分でも嫌になるくらい冷静な自分が必ず問いかけて来る。

オープンにしてしまえば、自分達2人は楽になったような気になるかも知れない。
応援してくれるファンがいても、それは明らかに少数派に違いなくて。
多少理解のある時代になったとは言え、こんな関係がまだまだ普通ではいられない世の中だ。

そしてそんな自分達の身勝手とも言える我儘は、ユノが大切にして来たファンを悲しませる結果になってしまう。
デビュー以来ずっと追いかけて来てくれている長年のファンを裏切る形になって、命みたいな存在のグループの存続さえ危うく晒してしまうに違いない。
それで苦しむユノの姿が否応なしに想像出来た。

そして何よりユノの事を、どこかの芸能人のように恋愛にのぼせる馬鹿呼ばわりされたくない。

だから。

嬉しくて堪らなくても素直にユノからの提案を受け入れることは出来ない。

もしも、自分の気持ちのままに応じてしまったら…
結果ユノの傍にいられなくなりそうで。

それが何より怖いから───

「俺は堂々としたい。」
「…僕も、そうしたいです。」
「だったら!」
「でも、…駄目です。ファンが悲しみます。」
「…じゃあ、お前は?お前は悲しんでもいいってのか?それを俺に我慢しろって?」
「僕は平気ですよ?本当に。…いつもユノが傍にいてくれるから、大丈夫です…」
「チャンミン。」

こんなやり取りをする度に。
この恋は不毛なのかな、と現実を突きつけられて傷だらけになる。

性別なんて関係ない。
男だの女だの、それさえ超えて。
僕はただ「チョン・ユンホ」を好きになっただけなのに。
日の目を見れない想いで、祝福もされないかも知れない。
理解してくれるのは、事務所と本当に仲の良い一部の友人だけ。

でも、それでも。どんなに傷ついても。
やっぱり僕はユノがいい。
この人の傍を離れる事は考えられないから。

だから耐えられる───

「…俺は。1番大切な人がお前だって、ファンにも知って貰いたい。」
「ユノの気持ちは嬉しいです、本当に…凄く。
…でも、きっとまだそれを言う時期じゃないと思います。正直いつ言えるのかも、分からない。…ずっと言えないかもしれない。でも、だから。僕はこんなやり取りじゃなくて、楽しく時間を重ねて行きたいんです。」
「チャンミナ…」
「こんな格好良い人を実は僕が独り占めしてるんですよ?…それって凄いことだし、それだけで十分です。」

それ以上ユノは何も言わなかった。
いつの間にか繋いだ指先を強く握ったまま。

真っ直ぐな人だから、世間に嘘をつく事はかなりのストレスだと思う。

相手が僕じゃなければ───

幸せな家族を持って、素晴らしい遺伝子を後世に残せる。

相手が僕じゃなければ───

そう何度も問うてみても。

でも、やっぱり、どうやっても僕には離れる事は出来ないから。

だから、このままでいい───








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