Maria.3

2018.10.02 (Tue)
それは酷く甘い誘惑だった

意味のないものだと分かっていながら

しょうがなさを装ってその誘いに乗った


*CM


何でこんな風になったのか、きっかけは自分にあったのかも知れない。
言葉なきそれが無意識に伝わって、優しい貴方はそれを当たり前のように掬いあげてくれただけ。

気付いた時には、その存在が当たり前のように傍にあった。
あんなことがあって何も誰も信じることが出来なくなり。
唯一、真っ暗な闇の中で見えた光のようだった。

以前、僕を同じようにヒョンは例えていたけど。
それは、僕にも…僕の方が言えることだった。

当たり前のように頼り、その逞しい背中に隠れ歩く。
時に振り返り僕を見つめるそれは居心地良く、時に優越感を感じて。

そして気付いた時には、貴方は僕の「唯一」になっていた───

口に出せるほど、明確な理由などない。

考えてみても、考えてみても。
恐らく、理由なんて後からいくらでも付け足せる。

ただ、単純に。



僕の心が奪われただけ───



だから、ヒョンからの提案を拒否するなんて考えられなかった。

意味のない行為。

自分のことを「好き?」とは聞けても。

「なぜ?」とは聞けない。

それを知る時には、ヒョンが離れて行ってしまう気がするから。

だからそれだけは、聞けないでいる。

「マネヒョン、ありがとう。」

待たせてあったいつもの車に乗り込む。

「いいや。ユノは?」
「…彼女が来るらしいです。」
「だから、お前は追い出されたのか?」
「まぁ、明らかにおじゃま虫ですから。」

もうすぐ秋だ。
だんだん肌寒くなる、でもファッションが色濃くなるこの季節は案外好きかも知れない。

最近、少しだけ長くなった髪を片方だけ耳にかけた。

「あ、…え?」



────ない。



「ちょ、嘘……」
「どした、チャンミナ?」



いつも身に着けてた、それが。

「…え、何で……」

どこかで落とした?

「マネヒョン、車止めて下さい。」
「は?お前どうした、」
「いいから!」

必死になる僕の声音に何かを感じたのか、すぐに車は路肩に止められた。

「って、おい!見つかるとマズいぞ!チャ、」

引き止める声も聞かず車を飛び出し、今来た道を急いで戻る。
視線は下に下げたままで。



『意味はないからな。』



って、渡されたそれは。

小さなロザリオがついたシルバーの細いブレスレット。

クリスチャンらしい貴方から唯一貰えたもの。

それは別に何でも良かった。
ただ、それをヒョンが僕にと思ってくれた、その思いだけが何より嬉しくて。

肌身離さず身に付けてた。
いつでもヒョンを傍に感じてるみたいに、酷く安心できたから。

ダンスレッスンや、ボイスレッスンで辛い時。
人間関係で上手く行かない時。
撮影でも、もちろん貴方に会う時も───

その場に蹲ってしまいそうな弱い僕を慰めてくれ、流れそうになる涙を留めてくれたのは他でもないそのロザリオだった。

元はなかったものなのに、一度そこにある意味を知ってしまえばそれがないと不安で堪らなくなる。

「どうしよう。…ヒョンがくれた、のにっ…」

あっと言う間に、視界が歪む。


たった一つの貴方との、繋がりも。

失ってしまう───


それがどんなに不安で、苦しく。
それがどんなに悲しく、切ない事か。


改めて思い知らされる。


どれだけ、ヒョンの事を想っているかって事も───

「…ヒョン。───ユノ。」




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