How to start the last love .13

2018.09.29 (Sat)

Y-said


腕を回す事も忘れたみたいに、ただ抱きしめられたまんまの人。

だからぎゅっとぎゅうっと、自分の腕に力を込めた。
どうかこの温もりが逃げてしまわないように。

この思いを言葉にするなら、
どういう風な形になるのか想像も出来ないくらい。

お前といると、
嬉しかったり、楽しかったり。
切なかったり、苦しかったり。

沢山の思いが、渦巻くんだ。

「…ヒョン。」

「名前で呼んで。」

「ユノ…。」

そうやって名前を呼んでもらえる事が、実はすごくすごく尊くて。
当たり前なんかじゃないって。

今更気付いても遅いくらいだけど、そう思わずにはいられない。

何日ぶりだろう。
こんな風に触れるのは。

このまま組み敷きたい衝動を、何とか押さえ込む。

可笑しいだろ。

どんないい評判の女優がやモデルが近づいて来ても、
「抱きたい」って思うのはお前だけだって。

それ聞いたら、また怒られるかな。
真っ赤な顔して。

「ヒョン、どうして…。」

「どうして?」

抱きしめる力を緩め、俺よりも細い肩に顎を乗せた。

すぐ近くで感じるチャンミンの息遣いに、思考がぶっ飛んでしまいそうになる。

チャンミンの腕がゆっくりと、俺の背中に回された。

遠慮がちに。

俺の身体は一体誰のモノだと思ってる。
他でもないお前の、お前だけのなんだからもっと堂々とすればいい。

そんな躊躇うみたいに、悪いことしてるみたいに。

触れなくていい。

「何で、…来たんですか?」

「何で?」

「ミジュさんは、」

「分からない?何で俺がここまで来たか?」

言わせたいの?
全部曝け出して欲しいの?

頭のいいチャンミンが分からないはずもなくて。

だけどそれが、俺を試してるんだとしても。

もしかして本当にそれに気付かず無意識に聞いてるとしても。

そんな事で、この手を掴んでいられるなら。
この手を離さないでいてくれるなら。

容易い事だ。

そう、気付いた。

愛する人を手に入れて、ずっとこの腕に収めておくためには。

自分の心を全て曝け出す時も、必要だって。

相手が掴んでくれてるそれに、安心してるだけじゃダメだって。

「チャンミナ。」

「はい。」

「もう、俺限界。」

「え?」

もう一度強く、そのしなやかな腰を引き寄せた。

首筋に顔を埋め、チャンミンの香りを吸い込む。

俺を切なくさせる、唯一の香り。

「二人で仕事してても、一人でしてるみたいで。
一人で眠る冷たいベッドもイヤだし、こうやって触れられないのもイヤだ。」

「ヒョン…。」

「ミジュの事、ゴメン。…嫉妬したから、俺が。」

「…え?」

「うん、めちゃくちゃ嫉妬した。
先輩とお前の事。先輩がお前が欲しいって言って、ショックだったし。あの店でも…。」

「僕は。」

「うん?」

「ヒョンが冷たくなった訳を、知りたかった。
先輩の気持ちは後で知って…、そしたら、彼女が…。」

あの時の事を思いだしたのか、口をつぐんでしまったチャンミンに。

俺がどれだけ傷つけたのかを、改めて知らされた気がした。

あの時は、見せ付けようとキスをした…彼女に。

自分でももてあます心を、ごまかすために。

「彼女は可愛いらしいですし、この業界の人とは違う何かオーラがあって。
ヒョンと似合うなって思ったら、どんどん…」

不謹慎だけど、嫉妬にしか聞こえないチャンミンの言葉は。

嬉しくて、じんと頭が痛む。

「彼女の事は、またゆっくり話すから。」

「……。」

「誤解するな。彼女に特別な感情はないから。」

それ以上何も言わないその人に、急激に不安になって。

そっと身体を離し、顔を覗き込んだ。

俺の腰を掴んだままで、俯いたまま。

「ゴメン。他の人にキスして…、嫉妬してゴメン。」

「─── キス、…されました。」

「え?」

チャンミンの言葉を理解出来ず、
思わず聞き返した。

「僕も先輩に、だから…」
「……。」

やっぱり溢れる、この言いようのない気持ち。

どうしてこうも、相手がお前だと。

嫉妬してめちゃくちゃにしてしまいたいって、思うんだろう。

くそっ。

マジで情けない。

自分はしておきながら、チャンミンのは許せないとか思う自分が。

この上なくイヤだ。

「ヒョン…、怒ったんですか?」

今度は黙ったままの俺に、不安げな視線をチャンミンが投げかける。

怒った?

当たり前だろう。

何で俺以外と?

しかも、
相手はお前を好きだって言ってるヤツで。

だけど、それを言えるはずもなくて。

情けないヤツだと思われそうで、怖い。

「ヒョンは。…平気なんですね。」

「チャンミン?」

「僕が、誰とそういう事しても。」

「─── 違う。」

違う、そうじゃない。

「じゃぁ、何で何も言わないんですか?大した事じゃないから?平気だから?僕は、ヒョンとあの人のキスを見て、吐きそうになるくらいつらか…ったの、にっ…」

俺の中にあった理性なんて、こんな簡単に外れるものだったんだって確信しても遅い。

チャンミンを押しやって壁に縫いとめた。

そのまま、隙間もないくらい身体を寄せ噛み付くみたいにキスを仕掛けた。

開けようとしない唇を、無理やり舌でこじ開け中に入る。

久し振りで余計に感じるその熱さに、溶けてしまいそうになりながら。

舌を絡ませて、逃げそうになるそれを捕まえて。

遠慮がちだったチャンミンのそれが、俺に応えてくれる頃には。

そこに響く濡れた音さえも、気にならない程に。

深く深く求め合った───




微かに唇を離し、息が上がるチャンミンの口元を拭った。

「こんな風に、」

「ヒョン?」

「…したくない、のに。俺が平気だと、思う?嫉妬するって、言っただろ?」

「でも…」

「言えないんだよ!全部が全部で曝け出したくても、どこかでブレーキがかかって!!
そうしないと、言わなくていい事まで…言いそうになる。」

「ヒョン?」

「知ってる?チャンミンが思ってるより、ずっとずっと俺が独占欲が強いって。」

形のいい唇を、もう一度親指でゆっくりとなぞった。

大きな瞳が揺れて、長い睫が幾度にも上下する。

「証明してやる。」

「え?…ちょ、」

その腕を掴んで、階段室を出た。

向かう先は一つ。

俺の恋人にキスをした、その人の部屋。

「俺の独占欲がどれくらいか。」

腕を掴んだまま、
エレベーターのボタンを押した───




---



えーーー、っとぉ…(;゚Д゚)
何回も言うけど、こういうちゃーたんが好きでしたよ!好きでしたけども!ダンダンッ!
○| ̄|_ ←今の私w



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