Oh my little lady .last

2018.09.28 (Fri)
行く前にユノによってつけられた種火(キス)は、ずっと僕の中で燻ぶり続けてた───。



これは、貴方の無意識の策略



簡単に囚われる───


身体中に余すとこなく、ユノの熱い唇が這いまわる。
まるで大切なものに触れるように、それは酷く優しい。
それは蜜な時間でも、リアルに仕事している時間でも変わらない。
同じ男だからもっと強くしても壊れたりしないのに、こんな風にされると何だか泣きたくなる。

「マーキングしてい?」
「なっ、んですか…」
「所有欲とか。」

───所有欲

独占欲と似ているけど違う、それ。

独占欲ほど束縛されるわけでもないのに、ゆらゆらとユノに抱かれている感覚。
酷くそれが心地よくて。

行ったり来たりするユノの唇の熱を感じながら。

昂ぶる快感への期待を、僕は浅ましくも抑えられない。

何で相手がユノだってだけで、こんなに自分の身体は全てが敏感になってしまうのか。
その指が触れる箇所全てに「俺の」だと印を付けられているような、そんな感覚にさえなってしまう。

普段汗をかかない人が、じわりと額に滲ませる───
それだけでとてつもない色香が匂い立つ。
苦し気に寄せる眉間の皺でさえ、まるで一つの芸術品のようだ。

「大丈夫か?」

そんな貴方が心配そうに僕を見下ろしてくれる。

はらりと落ちる前髪にそっと触れた。
唇の上にある小さな黒子にも。

瞬間、少しだけちりと焼けるような痛みが走る。
僕とこんな風になる前は、他の誰かもこうやって甘やかされていたんだと思うと…
そんな時間が今のユノを作って来たって頭で分かっていても、
自分以外が決して触れることの出来ない場所に触れた───
心がざらりとしたもので覆われてく。

「どうした?辛い?」
「…っ、違う…」

僕を見下ろして快感に酔っていた貴方が、少しだけ表情を曇らせた。

「でも、何かお前泣きそう。」

指先が僕の目尻に触れた。

「…大丈夫…です、」
「思ってること、言ってみ。」

そういうの辞めて欲しい。

優しかったり、意地悪だったり…優しかったり。
結局の所は、ユノはどんな時でも本質的な部分はブレない。

優しくて優しくて優しくて。

僕を甘やかすだけ甘やかして。
時に、突き放すだけ突き放して。

だけど、次の瞬間その何倍もの強さで抱きしめられる。

「っ、だから…何もないって…」
「そんな風に見えねぇから言ってる。」
「───っ…」

急に視界が揺れたと思ったら、繋がったままで身体を起こされた。
僕らのサイズに合わせてあるソファだから狭くはないけど、こんな体勢は───

ヘッドに凭れるようにして座るユノに跨ってる自分。

「っは…ぁ、」

さっきまでとは角度が変わって、思わず声が出るのを抑えられない。
自分のそれで急激に恥ずかしさが込み上げる。
身体を捩る僕を逃がさないと言うように、その逞しい腕が僕の腰に回る。

「で?」

さっきまでとは違って、今度は下から見上げられる。
真っ黒な綺麗な目に自分が映るのが分かるほど近くで。


どうやっても逃げられるはずもない───


「…っ、ただ…」
「ただ?」
「…僕以外にも、こういう感じだったのかって…思ったら、」
「あぁあ?」
「…ユノにも、こうやって触れたのかなって。ちょっと、…っ!」


嫉妬して───


そう続けたかったのに。
項に回った手が僕を引き寄せたかと思ったら、唇を塞がれて叶わない。

入って来る舌まで熱い。
熱くて熱くて熱くて。


溶かされる───


互いの唾液が行き来するくらい貪り合って。
濡れた音が僕の神経を痺れさせる。


いつの間にか、ユノの首に腕を回して求めていた───









どれくらいそうしていたのか分からないけど。
今だ中にいるユノが少し変化したのを感じて、ゆっくりと唇を離した。

「っ、ユノ…」

整わない息のまんまでその名前を呼べば、少しだけ照れくさそうに口元を上げて。

「お前が可愛いこと言うから、我慢出来ないって。」
「っば、か…また、可愛いとか言う…」
「だって、どうしようもない。逆にどうしろっつの。」

腰をするりと撫でられると、思わずぴくりと反応してしまう。
そんな僕にまた目を細めて、顎と首筋にキスが落とされる。

「嫉妬してくれんのは嬉しいけど。」
「ユノ?」
「俺も同じこと思ってっから。」
「……。」
「俺じゃない誰かがこんな風に触れたのかな、とか。
俺じゃない誰かがこんな風にキスしたのかな、とか。
俺じゃない誰かがお前を切なくさせたのかな、とか───
って言ってるだけで腹立ってくるな、マジ。」

何てことをこの人は言うんだろう。
万人に愛されてる貴方が誰か一人を想って胸を痛めてるだとか。
そんな贅沢なこと言わせてるのが、まさか自分だとか。
どれだけ人を気分良くさせたら気が済むんだろうか。

「っ、もう…」
「どれくらいこんな風にお前を抱いたか分かんねぇのに。今になってもそんな風に思って貰えるとか、俺って幸せすぎだよな?」


それは僕の台詞だ───


言葉を惜しまず毎回のようにくれるのに。
醜い嫉妬で一人こじらせてしまった時にまで、それ以上のものをくれる。

「僕の方が…幸せだと思います。」

僕に出来る事は、貴方を抱きしめることだけだ───


普通なら慣れていくのかも知れないこんな時間は。
貴方となら、まるでそれが初めてみたいに心臓の音が煩くて。
合わせる度に、濃く深く僕に刻み込まれる。


─── 堪らない。


太腿を掴むユノの指に、ぎゅっと力が入るのが分かる。

言葉にしなくても中でユノも感じてるんだと、その指先が言ってるようで。
優越感と共に、じわりと快感がせり上がって来る。

切羽詰ったようなユノの声にらならない声が。
華奢でもなんともない僕の身体を優に突き上げて。
ぎゅっと眉根に皺を寄せてる感じが。


僕の思考を麻痺させてく。


あまりににも濃厚すぎて頭が沸騰しそう。

「…っ、ユノ。」
「あぁ?…っ、」

気持ちよくて、泣きたくて───


空気を取り込もうと無意識に開いた口から、するりとユノの舌が入り込んで来た。

散々、口内を犯されながら中を突かれて。

その瞬間、中でぐっとユノが大きくなったのを感じる。

「─── ちょ、…っ」
「わり…何かお前の顔、見てたら…」

ユノの唇が耳元に降りて来た。
耳のラインを唇でなぞり、ゆっくりと口付けられる。

「チャンミナ、しないの?」

耳朶を軽く噛まれた。

しない理由───

「知ってるでしょう、がっ…」
「知らないよ?」

知ってるから、気付いてても何も言わないんでしょう。

ピアス。

理由は───

外した頃のそれとは、もしかしたら変わってるかも知れない。

でも、今何でか出来ないでいる。

あの頃の僕は今回のナヨンみたいに。
子供と大人の狭間を漂っていて…
服もアクセサリーも似合うかなんて考えもせず、ただ与えられるままに身に着けていただけ。

もしかしたらあの頃よりは似合うのかも知れないけど───

「結構、似合うと思うけど。」
「…ユノがしてるから、それでいいです…」
「そう?」
「…そう。」

─── 好きだ。

この人が。

どうしようもなく。

「…ユノ…」


名前を呼べば口元を意地悪気に上げて。

こんな些細な仕草に、僕は何度目かの恋に堕ちる。

相手はいつも、同じ人。

もっともっと、欲しいから。

貴方の全てが。

流す汗一滴までも、

───僕のものだ。











散々啼かされ動く気力もない。
そんな僕を気遣ってか、強く抱きしめてくれる腕に酷く安堵して。

こんな時間が一番好きかも知れない。

「ナヨンが。チャンミンオッパとデートしたい!って言ってたけど?」
「無理ですね。」
「何で?してやりなよ。初恋なんだからさ。」

もう天使みたいな、子供みたいな表情に戻ってる。
さっきまで「雄」の顔で僕を攻め立てたくせに。
コロコロと変えるこの感じに誰彼構わず周りがユノの虜になるのが嫌でも分かる。
今更なんだけど、可愛くて男らしくて───

「僕は年下には興味ないし。あの子にはもっとふさわしい人がこの先きっと出来ますよ。」
「ナヨンが。美しさをお金で買っても、心が綺麗じゃないとそれは輝かないってチャンミンが言ってたって。嬉しそうに、泣いてたぞ。」
「あぁ、言ったかな…そんなこと。」
「またまた、照れてんのか?しょうがねぇな。よしよししてあげよう。」

言いながら僕の頭を大袈裟に、撫でてくれる。
いつまで経っても子ども扱いされてるみたいで、嬉しくないような…
でも嬉しいような。

「俺の愛する人は、めちゃくちゃ格好いいな。」

そっくりそのまま返したい。

でも、貴方から貰う言葉ひとつで僕は優しくも強くもなれる。
貴方のことを想うように「愛する」ことは出来なくても。

貴方のように大きな気持ちで人と包んであげたいと思う───

「ナヨンにも、ユノみたいな相手が出来るといいです。」
「なに?」
「見た目ではなく、その相手の中身を深く深く想ってくれるような───」


そんな太陽みたいに熱くて大きな人と。


「僕も、彼女の”初恋”に恥じないような男にならないと。」


この世界にいたら、またきっと彼女と仕事をする機会があると思う。

その時にもまた憧れだと言って貰えるような、そんな人でいたいから。



「あぁ?俺の傍にいればそんなん全てクリアだろ。」



そう笑いながら言い切ってしまう貴方の傍で───





END




---


何かタイトルから微妙にズレたような…(;゚Д゚)
でも、まぁいいか←テキトーB型
しかも、やっぱりぬるい2人のイチャイチャ。
うぬぅ…書けぬ…どうしてかリアルを追及すればするほどリアルに描けないって言う(笑)
ダメダメだわー。
やっぱり雰囲気で読んで頂くしか…(土下座)
お付き合いありがとうございました♡



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