Odette

背中合わせの2人のお話
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Signal .1

いよいよ限界に来ていた薄く張られた氷の上を歩くような張った細い糸にぶら下がっているようなまさにそんな感覚だった───Signal.1Yドアを開ける事を一瞬だけ躊躇う。一歩入ってしまえば全てを隠し、いわゆる「いつもの自分」でいなければならない。明け方まで抱いていた女の匂いを消し、爽やかな「ユノ」に───一度空気を飲み込み思い切ってリビングのドアを開けた。入った瞬間にコーヒーのいい香りが鼻を掠めた。「あ、お帰りなさ...
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Signal .2

Signal.2Cいつもと変わらない。変わらないはずが、距離があるように感じる。最初は思い過ごしかと思った。性格も真反対なら生活スタイルも違う。そんな2人が一緒に暮らしていたら、会わない時間があってもおかしくない。でも、さすがにこうも朝帰りが続くと避けられてるのかとも思ってしまう。一緒に居るのが苦痛に思われているのかも、とさえ。普段は変わらなく接して来るから、正直どうなのか分からない───「ヒョン。」「ん?」...
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Signal .3

Signal.3Y久しぶりに誘われ、違うグループだが同じ事務所の先輩後輩メンバーと飲みに出た。それぞれが世界を股にかけて活動していると言ってもいい身分で、こんな風に集まれるのは貴重だ。「よぉ、ユノ。」「シウォン、久しぶり。」「あれ?お前の片割れは?」「片割れって…。チャンミンは今日は別行動で、もうすぐ着くはずだけど。」噂をすれば何とやらで、ちょうどチャンミンが顔を見せた。人見知りは変わってないが、実際先輩に...
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Signal .4

夢を見た泣きたいと思うほど涙は嘘みたいに乾いていきそんな僕にあなたは悲し気に眉を下げ───何も言わず僕の傍を離れて行ったSignal.4C「──、…っ。」苦しさで一気に覚醒する。思わず目を開け、詰めていた息を何とか吐き出すと。雁字搦めになっていた呪縛から解かれたように、身体が軽くなった。「は。…夢だった…。」嫌な夢だった。その証拠に身体はじっとりと汗が滲んでいた。「うー、頭いて…。」ベッドに胡坐をかいたままで頭を抱...
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Signal .5

まだ大丈夫そんな言葉でどうにか何とか保っていたかったずっと傍にいたかったからSignal.5Y「ユノ、本当にいいのか。」広い車内、しんと静まった中にマネージャーの声が重く響いた。何度尋ねられても頷くしかなかった。どうにかしたかった。でも、出来なかった。いや、これから出来るかも知れない。でも、どうにもならないかも知れない。そんな風に迷いながら時間が経っていくのが酷く無駄な気がして。自分さえ割り切ってしまえば...
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